<農と福祉01> 埼玉県・深谷市 No Side(ノーサイド)
はじめまして。鈴木です。
1児の親で、坂戸・毛呂山・日高周辺で何を思ったのか新規就農を目指しています。
大学校のプロジェクトで「農」と「福祉」について調査しており、こちらのブログで経過を報告することになりました。どうぞ宜しくお願いいたします。
先日、学校から車で約20分、埼玉県深谷市にある
就労継続支援B型作業所 No Side(ノーサイド)さんにお邪魔しました。
現在約50名ほどの主に重度の知的・精神障害をお持ちの方が利用されているそうです。
いくつか班があり、その中に農作業を行う「農作業班」があります。
現在1.5haの畑を約15人のスタッフ*1で耕作しています。
栽培作物はタマネギで、出荷先は直売所、市場、大手飲食チェーン店工場など多岐にわたっています。
■ 暑くても寒くても・・・
夏の暑さ、冬の寒さでスタッフが体調を崩すことを心配していたという代表の永田さん。No Sideでは希望する作業班に自由に移ることができるのですが、驚くことに農作業班を辞めたいという方はひとりも居ないそうです。
永田さん曰く、知的・精神障害を抱えている方にとって農作業は、以下の2つの大きな効用があるということでした。
1.規則正しい生活リズムがつくりやすい
⇒日中、身体を適度に動かすことにより疲労し、お腹も減るので、夜はしっかり眠れる(昼夜逆転が無い)。
2.仕事の内容、始まりと終わりが視覚的に捉えやすい
⇒「ここからここまで除草お願いします」「この畝だけに定植しましょう」など、指示内容も理解しやすく、また作業前と作業後の違いが一目でわかる。

代表の永田さん。ガッシリとした体格と施設名からわかると思いますが、元ラガーマンだそうです。
■ まずはやらせてみる
「~できないだろうな」という先入観を持たずにやらせてみると、結構できてしまうことが多く驚いたそうです。
例えば、苗近くの除草作業。
自分で植えた苗はしっかり覚えていて、苗は抜かずに雑草だけを抜くそうです。
また補助具などを工夫して利用することにより、作業範囲を広げています。
たまねぎの調整作業では、スケールと呼ばれる7~11cmの規格内の穴をあけた補助器具を利用し、調整作業の精度を保っているそうです。(写真撮り忘れました(汗))

■ 雨の日の仕事が課題
目下の課題は雨天時にできる仕事が限られてしまうことだそうです。
近隣の作業所さんと共同で加工所のようなものが使えれば・・・とおっしゃっていました。

トラクターと農業倉庫、新規就農希望の私にとっては憧れのアイテムです…
■ 心がけていること
農作業の売り上げは工賃としてスタッフ(利用者)の方に分配しています。
「売り上げ追求することも大事ですが、まずその方が楽しく働きやすい環境を整えれば、お金は後からついてくると思っています」という永田さんの言葉が印象的でした。
今回お話を伺った永田さん、言葉の端々からスタッフ(利用者)さんへの愛情を強く感じました。お忙しい中、ありがとうございました。
私も今度、絶品と評判のシフォンケーキを食べてみたいと思います。
就労継続支援B型作業所 No Side(ノーサイド)
〒369-1101 埼玉県深谷市長在家1675
TEL:048-578-1011
月~金:9:30~15:00
*1:No Sideさんでは利用者・職員の方々をこう総称しています